なんちゃって看護師の徒然育児

一児の母。資格はあるもののほとんど他業種で働いていたなんちゃって看護師です。

地獄の乳腺炎レポと、予防法・対処法まとめ

 和泉(id:c151014)です。他業種歴の方が長いなんちゃって看護師です。現在第一子を完母で育てています。元々強い希望があって完母を選んだわけではなく、生後一ヶ月くらいまで混合でした。しかし、思っていた以上にミルクの準備が大変で、完母に切り替えた次第です。
 母乳育児が軌道に乗るまでは大変でした。授乳を始めたその日から乳首は切れるわ、胸が岩のようにガチガチに張って痛くなるわ、自分が想像していたよりもずっと過酷な道でした。幸いにも赤ちゃんの体重増加には問題がありませんでしたが、生後3か月頃まで授乳の度に激痛と戦っていました。例えるなら、まち針で乳首を容赦なく刺されているような痛みです。当時は白斑が出来ていたため、余計に痛かったのかもしれません。時には「ここまでして母乳にこだわる必要はあるのか?」と遠い目をしながら授乳していました。それくらい授乳時の痛みは辛かったです。
 そんな痛みだらけの授乳ライフの中でも、群を抜いてヤバかったのが乳腺炎です。「乳腺炎は本当につらい」と、知識としてはあったので、母乳育児を始めた頃から、乳腺炎にならないように気を付けてきました。その甲斐もあって、乳首のトラブルに悩まされながらも、乳腺炎になることはありませんでした。しかし、生後2か月頃、ひょんな事から乳腺炎を発症させてしまいました。
 今回の記事は、乳腺炎になった理由と、その後の対処についてです。

原因

 結論から言うと「授乳間隔を空けすぎた」です。
 乳腺炎は「乳管の閉塞・乳汁の貯留」によって起こります。簡単に言うと、おっぱいの出てくる乳管が詰まって、おっぱいが溜まってしまうことです。原因としては「授乳間隔空けすぎ」「同じ授乳姿勢で飲ませすぎ」があります。授乳間隔を空けすぎると、作ったおっぱいを外に出せずに溜まってしまい、乳管が詰まってしまいます。また、同じ授乳姿勢で飲ませ続けると、赤ちゃんが吸い出す乳管に偏りが生まれるため、吸われていない乳管が詰まってしまいます。*1

 その日は、赤ちゃんを連れて半日ほど出掛ける用事がありました。当時は3時間おきに授乳をしていたため「外出直前に授乳して、外出先でも1度授乳をすればいいな」と考えていました。しかし、外出前の授乳は出来たものの、外出中での授乳が出来ませんでした。何故なら、赤ちゃんがグッスリ寝入ってしまっていたからです(泣)どれだけ声を掛けても、さすっても揺すっても起きません。無理矢理口の中に乳首をねじ込んだりもしましたが、気のない様子で2、3回乳首を吸って終わり。帰りの電車の時間もあったため、「帰ってから授乳すればいいか」と諦めて帰ることにしました。この判断が間違っていました。
 月齢が進んでくると授乳間隔が空いてくるため、今現在は半日程度であれば授乳しなくてもなんとか大丈夫(念のため圧抜き程度の搾乳はしています)です。当時は、母乳の分泌量が増えていく時期だったこと、まだ授乳間隔が3時間おきだったことが重なって、半日ほどでしこりが出来てしまったのかなと思います。

 帰宅して授乳すると、胸の張りは収まりました。しかし、授乳しても無くならないしこりが、一箇所だけありました。押すと痛いけれど、押さなければさほど気にならないしこりでした。何回か飲んでもらううちにしこりもなくなるだろうと思い、そのまま放置しました。この判断がまた、いけませんでした。時間が経てば経つほど、しこりがじんじんと痛むようになってきました。「押すと痛い」から「押さなくても痛い」に変わっていました。おまけに、なんだかしこりのある部分が赤い。…そこで私は確信しました。「乳腺炎だ」と。認めたくはありませんでしたが、なってしまった以上、治すしかありません。放っておくと悪化する一方です。また、細菌感染を起こすと、高熱を引き起こすこともあります。最悪の事態に陥る前になんとかしなければ、と、治すために手を尽くすことに決めました。

自分でできる対処法を実践する

頻回授乳をする

 とにかく授乳し、赤ちゃんにおっぱいを吸い出してもらいました。妊産婦さんでしたら「乳腺炎になったとき、助産師さんのおっぱいマッサージを受けると治る」という話を1度は聞いたことがあるかと思います。これは、マッサージによって乳管の詰まりを解消し、溜まっていた乳汁が外に出るから治るからです。ということは、おっぱいマッサージをしてもらわなくても、赤ちゃんにつまりを吸い出してもらい、溜まったおっぱいを出すことが出来ればいい訳です。

授乳体勢を変える

 つまりを取るには、赤ちゃんの下顎がしこりの部分にくるように体勢を整え授乳するのが一番有効です。おっぱいの下側にしこりがあったため、いつもは横抱きで授乳していましたが、縦抱きでの授乳にもチャレンジしてみました。激痛でしたが、ここで授乳を止めれば事態は悪化する一方です。退くも地獄進むも地獄の世界でした。冗談抜きに涙を流しながら、一晩中授乳し続けた結果…しこりは小さくなったものの、まだ残っていました。もう自分の力だけでは限界があると思い、おっぱいマッサージを受けるため病院へ行くことを決めました。

おっぱいマッサージを受ける

 出産した病院の母乳外来枠で「乳腺炎になったのでおっぱいマッサージをして欲しい」と予約を取り、受診しました。「おっぱいマッサージはめちゃくちゃ痛い」と聞いていたし、レポ漫画やブログを読んでも「めちゃくちゃ痛い」というものが多かったため、覚悟していきました。しかし、実際に受けてみると拍子抜けなほど痛くありませんでした。もちろん、痛いことは痛いです。けれども「めちゃくちゃ」が付くほどかというと、そうでもありませんでした。少なくとも、マッサージ中に助産師さんと談笑できるレベルではありました。

 ただし、私の場合、自分にできる対処法を実践していたおかげか、来院した時点でほとんどつまりは取れていました。自分では気付いていなかったのですが、助産師さんにマッサージ開始時点で「詰まってたとこからおっぱい出てるよ」と言われたのです。朝の時点でしこりは残っていたのですが、自分の判断・対処法は間違っていなかったんだな、と安心しました。でもやっぱり痛すぎたので、マッサージで最後のひと押しをしてもらえて良かったです(笑)
 助産師さんには「赤ちゃんに飲んで貰うのが一番。授乳中に赤ちゃんが乳首を咥えて引っ張るのは、乳首をしごいてつまりを取ろうとしているから」と教えてもらいました。言われてみれば、昨晩は確かに乳首を引っ張られることが多かったので、赤ちゃんがつまりを取っていてくれたんだなと感動しました。「痛い!」と内心怒ってしまって申し訳なくなりました。マッサージ後も「とにかく、たくさん、いろんな体勢で授乳してね」と「外出等で長時間授乳出来ない時は、圧抜き程度に搾乳したほうがいい」と指導されました。

 マッサージ後は医師の診察を受け、葛根湯を処方されました。葛根湯は血の巡りを良くするとのことで、乳腺炎の場合よく処方されるそうです。ちなみに、私が出産した病院では「母乳外来は自費になる」と退院時に説明を受けていたのですが、今回は保険診療となり3割負担で済みました。医師の診断・薬の処方がある場合、保険診療となる場合があるそうです。会計が地味に怖かったので、とてもありがたかったです。

その後

 乳腺炎を経験してからは、授乳間隔と授乳姿勢を意識して授乳するようになりました。その甲斐あってか、これ以降は乳腺炎になっていません。それどころか、授乳姿勢を見直したところ、ずっと悩まされていた白斑もなくなりました。この白斑が激痛の原因だったのか、白斑がなくなって以降は授乳時の痛みはすっかり消え、ノーストレスで授乳できるようになりました。
 出産後、ほとんどすべての産婦さんが口酸っぱく「いろんな体勢で授乳してね!」と指導されるものと思います。それはやはり乳腺炎や白斑の予防になるからなのですが、身を持って体験することで、改めてその指導の大切さが身に沁みました。みなさま、いろんな体勢で授乳しましょうね!(泣き笑い)

対処法まとめ

 乳腺炎予防の段階としては、

  • 授乳間隔を空けすぎない!
  • 色んな授乳体勢で授乳する!

 の2点に尽きるかなと思います。

 なってしまってからは、

  • 頻回授乳をする
  • しこりのある部分に赤ちゃんの下顎が来るよう、授乳体勢を整える
  • 改善されなければおっぱいマッサージを受ける

 をお薦めします。おっぱいマッサージは効果抜群で一気に解決出来るので、最後の切り札として利用するのがいいかなと思います。けれども、一度受けたらそれ以降乳腺炎にならないわけではないので、やはり予防に力を入れる方がいいと思います。

授乳中参考にしたサイト

NPO法人 ラ・レーチェ・リーグ日本

llljapan.org
 産婦人科の先生や、母乳育児の臨床管理を専門とする医療専門家であるラクテーション・コンサルタントの方もお薦めされている団体のサイトです。
 メニュー>知りたいことを探す>母乳なんでも相談室
 メニュー>知りたいことを探す>無料リーフレット
 退院後は、この二つのページに記載されている情報を頼りに、母乳育児をしてきました。「授乳間隔が短いけど、母乳が足りてないのかな?」「母乳が足りているかどうか判断する方法は?」など、母乳育児をする上で知りたい情報がピンポイントで、やさしい言葉で書かれています。

NPO法人 日本ラクテーション・コンサルタント協会

www.jalc-net.jp
 上でも紹介した、母乳育児の臨床管理を専門とする医療専門家であるラクテーション・コンサルタントの公式サイトです。信頼できる情報が載っています。ちなみに、ラ・レーチェ・リーグ日本とは、正式な協力関係にある組織となります。

最後に――とはいえども専門家に診てもらうのが一番

 個人の健康問題においては、経過や背景を把握されているかかりつけ医を受信するのが一番確実です。問診・診察を行い、総合的に判断してもらうこと以上に信頼できる方法はありません。質問サイト等で相談するという方法もありますが、どうしても情報に主観が入るため偏ります。また、回答してくださった方が、その判断に責任を持ってくださるかというと、そうではありません。
 この体験談も「こんな例もあるという参考になれば」という思いで書きましたが、「どうしても不安だ」「どうしても知りたい」という健康上の疑問や問題がありましたら、迷わず受診されることをお薦めします。


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*1:平易な言葉で端折って説明しましたが、詳しくはかかりつけのお医者様や助産師に尋ねてください