なんちゃって看護師の徒然育児

一児の母。資格はあるもののほとんど他業種で働いていたなんちゃって看護師です。

無痛分娩体験レポ

はじめに

 和泉(id:c151014)です。私は第一子を無痛分娩で出産しました。理由はただ1つ、痛いのが苦手だからです。
 本当に痛みに弱く、歯医者を受診するときも「麻酔の注射を刺す前に、塗る麻酔をお願いしましす」とお願いするくらい、痛いのが苦手です。小さい頃から「子どもは欲しいけど、陣痛が怖いから出産はしたくない」と大真面目に考えていました。無痛分娩という分娩方法を知ってからは「子どもを産むなら、絶対無痛分娩にしよう」と思っていました。そのため、妊娠が分かった後、すぐにしたことは、無痛分娩を扱っている病院を調べることでした。

出産まで

 無痛分娩出来る病院は、増えてきているとはいえ限られています。転院は手間ですし、初期から経過を診てもらえた方が安心出来ます。それに、人気の病院では、妊娠〇週までに出産予約しないと分娩出来ない…なんてこともあります。口コミを探し、自宅からの距離と通院手段を調べ、費用を比較して…と、他の方がするようにいくつかの病院を検討し、最終的に、実際に出産した病院に初診からかかりました。

 無痛分娩を扱う病院でも、24時間無痛分娩対応の病院もあれば、平日のみ対応、平日でも夜間は対応不可、祝日は対応不可、など、様々な条件があります。
 私が出産した病院は、平日のみ対応可・祝日は不可という条件でした。また、どうしても無痛分娩で産みたい場合は、予め入院日を決め、促進剤を使って陣痛を起こすという方法を使うと説明を受けました。入院日は、検診で経過を診ながら、先生と相談の上で決めるとのことでした。私の場合「どうしても無痛分娩で産みたい」という希望を出していたので、妊娠39週の平日に入院の予約をしました。まさか、その前に産まれることになるとは、この時は思いもよりませんでした。

出産当日

まさかの無痛分娩不可能?

 昼頃、生理痛のような下腹部痛が始まりました。しかし、2~3時間おきにやって来ては引いていきます。痛みも弱いし間隔も長くてバラバラなので、まさか陣痛とは思っていませんでした。夜になり、痛みの間隔はどんどん短くなっていきました。痛みがあるときは「イテテ!」と声を出したくなるくらいでしたが、痛みが引くと何事も無かったかのように元通りになります。まさか陣痛?陣痛アプリで間隔計ってみようかな…と記録を始めた時には、既に10分間隔を切っており、痛みがあるときには歩けないくらいに痛みが強くなっていました。
 ヒイヒイ言いながら何とか夫と病院に行き、内診してもらったところ、子宮口が1cm程開いているとのことでした。ただ「初産婦でまだ1cmしか開いてないから、一旦帰宅してください」と帰されそうに。もうこの時点で身動き取れないくらい痛い上に、痛すぎて叫びまくっていたので「このまま帰されても困る」という一心で夫と抗議し、そのまま入院することとなりました。しかし、無慈悲にも「無痛分娩は出来ませんよ」と一言。そう、この日は金曜日で、次の日は土曜日。無痛分娩対応不可の日だったんです。しかし、陣痛が来てしまった以上産むしかない。「麻酔が使えないなら、せめて早く産もう!」と決意したのを覚えています。

 しかし、痛みは強くなるばかりだし、間隔はどんどん短くなっていて、病院に着いてからはずっと叫び通しでした。痛すぎて身動きひとつ取れず、ひたすら絶叫。声は出さず深呼吸した方が痛みが和らぐ、と知識はあったのですが、叫ぶのを我慢出来ないくらい痛かったです。何時間くらい痛みと格闘していたかは記憶にないのですが、不意にいきみたい感覚に襲われました。明らかに先ほどまでとは違う感覚で、ナースコールして「いきみたくなってきたんですけど…」と正直に伝えました。その後、内診してもらったところ、子宮口が8cmまで開いているとのことでした。
 助産師さんも驚くくらい分娩の進みが早く、一気に出産モードとなり、慌ただしく分娩準備が始まりました。そんな中、痛すぎて叫びながら号泣していた私に「無痛分娩出来るから頑張って」と助産師さん。どうやら、運良く当直の医師が無痛分娩出来る方だったらしく、九死に一生を得た気分でした。

なんとか無痛分娩へ

 私が出産した病院では、子宮口が5cmまで開いたら硬膜外麻酔を始める決まりとなっていました。私の場合、内診したら既に5cm以上開いていたため、内診後すぐに硬膜外麻酔を始めることとなりました。
 硬膜外麻酔を行うには、エビのように背中を丸め、施術中は動かないようにしなければなりません。これが本当に大変でした。何故かというと、その間にも陣痛が絶え間なく襲ってくるからです。痛くてジッとなんかしていられません。しかし「動いてしまって失敗となってはいけない、合併症が起きたら洒落にならない」という意識が痛みに勝り、何とか動かず処置を受けることが出来ました。
 この硬膜外麻酔も「留置するまでが痛そうでイヤだな…」と思っていたのですが、陣痛の方が遙かに痛く、そんな陣痛のさなかに行ったためか、痛みは全くありませんでした。いつ穿刺したのかも分かりません。

麻酔が効いてから

 麻酔が効き始めてからは、体中がブルブルと震え始めました。自分の意思では止められず、歯がカチカチと鳴るほどです。麻酔の影響で体温の調節能力が一時的に鈍くなるため、寒気や震えが起きることがあるそうなので、私の場合もそうだったのではと思います。寒気もすごくて、夫が「暑い」と言うくらい暖房の効いている部屋なのに、毛布を掛けて貰ったりしました。その他には、麻酔の副作用は感じませんでした。

 痛みに関しては、嘘のようにすっかり消えました。陣痛のピーク時の痛みが、昼頃感じていた生理痛ほどの痛みに変わりました。それまで、我を忘れ、泣き叫び通しだったのが、助産師さんや夫と談笑出来るほどになりました。助産師さんには「無痛分娩じゃなかったら、こんな風に笑顔でお産は出来ないよ」と言われました。それまで叫び狂っていた私としても、本当にそうだと思います。

 無痛分娩のデメリットに、痛みを感じにくくなることで、いきむタイミングが掴めず分娩が長引くというものがあります。助産師さんに「いきみはじめてから産まれるまで、普通なら1時間くらい、無痛分娩なら2時間くらい」と教えて貰いました。麻酔をかけるまでは、はっきりといきみたいタイミングがあり、それに合わせていきめたのですが(本当は、子宮口全開になり、助産師さんからゴーサインが出るまでいきんじゃダメですよ)麻酔が効いてからは、痛みと共にいきみたさも薄れて、意識しないといきめませんでした。
 いきむタイミングに関しては、助産師さんが指導してくれるので、従っていればまず問題はありません。いきむ時の体勢も指示があるので大丈夫です。結局、助産師さんの言葉通り、麻酔をかけてから約2時間後、第一子を出産しました。

出産後

 いつ麻酔が切れたのかは記憶にありません。硬膜外麻酔を抜いたタイミングも、正直忘れてしまいました。申し訳ない…。カンガルーケア後、会陰縫合を行ったのですが、その時には縫われる痛みがありました。しかし、その後は出産後の神経の昂ぶりもあって、痛みは感じませんでした。一晩中眠らず痛みと戦っていたため、全身のだるさはありましたが、痛みがないぶん予想していたよりずっと楽でした。

 無痛分娩のメリットとして、体力の消耗が少ないという点があります。痛みに耐えるのも、そんな中いきむのも、共に体力をすごく消耗します。出産後、3時間ほど安静にしてから、分娩室から病室に車椅子で移動したのですが、車椅子まで歩く様子を見た助産師さんに「1人で支えなく歩くし、車椅子に座っても痛がらないし、無痛分娩のおかげだね」と言われました。結構、この動作すら難しい産婦さんもいるそうです。
産後2日目には実母が面会に来たのですが「そんなに動けるの?痛くないの?普通もっとヨロヨロしてるよ」と驚かれました。

 総合すると「やっぱり無痛分娩にして良かった」の一言に尽きます。そして、お薦めします。

まとめ

メリット

  • 痛くない!

 これに尽きます。本当に痛くなくなります。体感的には、100ある痛みが1~2くらいにまで和らいだ感じでした。
 ちなみに、無痛分娩という名称がメジャーですが、実際には「和痛分娩 痛みを和らげる分娩」のが近いと、私が出産した病院では説明されていました。完全に痛みを取ってしまうと、レポ中にデメリットとして挙げた「いきみにくい、いきめない」という問題が出てきてしまうため、いきめる程度の痛みは残しておくそうです。

  • 産後の回復が早い!

 体力の消耗が少なく、回復も早かったです。歩くと、思わず「よっこいしょ」と声が出てしまうようなだるさや、鈍い痛みがありました。しかし、横になっている分にはどちらもほとんどありませんでした。ただ、動けるからと動いてしまうのはデメリットにもなり得るかなと思いました。産後に無理をしてしまうと、回復が遅れるどころか、大きなダメージとなるので、意識して安静にする必要があるかと思います。

デメリット

 今回のお産では、私自身はデメリットを感じませんでした。強いて言うなら、実施可能な日が限られているため、私のように産気づくタイミングによっては、無痛分娩出来なくなる可能性が高いことかなと思います。私も、当直の先生が麻酔できない先生だったら、無痛分娩出来ませんでした。
 一般的なデメリットとしては、痛みがどの程度なくなるかは個人差が大きいというものがあるかと思います。中にはほとんど痛みが取れなかったという方もいるそうで、こればかりは実際に麻酔をかけてみるまで分かりません。
 また、いきむタイミングを掴みづらく、分娩が長引くことで、赤ちゃんが弱ってしまい、帝王切開に切り替わることもあるそうです。
 デメリットに関しては、お母様や赤ちゃんの命を左右するものも多いため、当ブログの内容は参考程度にとどめ、お医者様の説明をしっかりお受けになって下さいね。
       

最後に

 ネットで「無痛分娩」と検索すると、過去の事故やリスクを強調する記事が山ほど出てきます。その結果だけを見れば「無痛分娩はリスクの高い危険な分娩方法」と思ってしまうのも無理はありません。夫や実母にも「無痛分娩って危なくない?」と何度か言われたことがあります。
 ただ、病院もそのリスクは分かっているだろうし、だからこそ万が一の事態に備え、分娩できる日や対象者を決めています。無痛分娩可能かどうかは、かかりつけの先生が検診を通じて総合的に判断してくださると思うので、そこでゴーサインが出たのなら、必要以上に怖がらなくても良いかなと個人的には思います。

 以上、無痛分娩体験レポでした。


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