なんちゃって看護師の徒然育児

一児の母。資格はあるもののほとんど他業種で働いていたなんちゃって看護師です。

なんちゃって看護師がまとめる授乳体勢の種類一覧と、メリット・デメリット・体験談

f:id:c151014:20191023075924j:plain

 和泉(id:c151014)です。他業種歴の方が長いなんちゃって看護師です。現在第一子を完母で育てています。
 この記事では、私が実践したことのある授乳体勢について、個人的な感想と、実践した上で考えられるメリット・デメリットを挙げていきます。今現在、授乳で悩まれているお母さんにとって、少しでも参考になれば幸いです。

はじめに

 母親学級や入院中、助産師さんから教えてもらう授乳体勢は、主に授乳クッションを使っての横抱き・フットボール抱きの2つかと思います。これはポピュラーな授乳体勢で、私も入院中、この2つを教えてもらいました。しかし、授乳体勢には色々な種類があります。赤ちゃんやお母さんの体格や、赤ちゃんの好きな姿勢もあるため「この授乳体勢が一番楽!」というのは、一人一人違います。どの体勢が自分に一番合っているかは、試してみないと分かりません。
 産後は、お産で体力を消耗していたし、1日に何回も授乳するため「少しでも楽に授乳したい」と思っていました。しかし、どんな授乳体勢があるのか知識としてはありましたが、実際にその体勢で授乳した方の、生の声を聞くことは出来ませんでした。当時を振り返ると、そういった生の声を聞くことが出来れば、より効率的に授乳体勢を選び、練習することが出来たのになと思います。一人でトライアンドエラーを繰り返すのは、産後の体力では辛く厳しいものがありました。そういった思いがあり、今回ブログを書くに至りました。

授乳体勢の種類

  • 横抱き
  • フットボール抱き
  • 縦抱き
  • レイドバック法
  • 添い乳

 私が実践したことのある授乳体勢の中で、WEBや書籍でよく目にする通称を挙げました。この通称であれば、助産師さんにも通じると思います。この記事を読み「実際に助産師さんに質問してみて、試してみたい・指導を受けたい」という方は、上記通称を使っていただければと思います。

横抱き

 基本の授乳体勢と言ってもいい体勢です。授乳する乳房と、同じ側の二の腕に赤ちゃんの頭を乗せ、反対側の腕で体を支えます。授乳クッションに赤ちゃんの体を乗せ、頭や体を支えると楽に授乳出来ます。授乳する乳房側の腕と、反対の腕で頭を支えると「交差抱き」という呼び方になります。授乳体勢が似ているため、ここで一緒に紹介させていただきます。

メリット

 授乳クッションを使うと、腕の力を使わなくてもいいため楽に授乳出来ます。
 赤ちゃんの体勢を整えやすいため、浅吸いになりにくいです。

デメリット

 私の場合ですが、授乳クッション無しでは横抱きで授乳出来なかったので、外出先では困りました。また、体が大きくなってくると、授乳クッションからはみ出したり、体勢が不安定になります。

感想

 ポピュラーな授乳体勢なだけあって、授乳しやすかったです。体が大きくなってくる生後3か月頃までは、ずっと横抱きで授乳していました。ただ、私は授乳しているうちに前傾姿勢になってしまうことが多く、背中から腰にかけてのこりがひどかったです。また、手頃なソファや椅子がなく、床に直接あぐらをかいて授乳していたのですが、股関節を痛めました。住環境によっては、意外と体を痛めやすい授乳体勢かなとも思います。

フットボール抱き

 言葉通り、フットボールを持つような腕の形で授乳する方法です。例えば、右側のおっぱいで授乳したい場合、右脇で赤ちゃんの体を挟み、右手で赤ちゃんの頭を支えます。

メリット

 横抱きでは吸い付きづらいと言われた乳首の形でも、授乳出来ることがあります。
 また、横抱きだと飲み残しやすい、乳房の外側・下側に溜まったおっぱいを飲める姿勢なので、乳腺炎予防になります。

デメリット

 赤ちゃんの足がお母さんの背中側にあるため、体全体を密着させるのが難しいです。赤ちゃんが動くようになると、より難しくなります。
 背中側の授乳クッションの位置を調整するのも難しいです。

感想

 片方の乳首の形が、横抱きだと吸い付きづらいかもしれないと言われており、実際上手く授乳出来ませんでした。しかし、フットボール抱きで授乳することが出来たため、生後2か月頃までは横抱きとフットボール抱きメインで授乳していました。それ以降は、体が大きくなって授乳クッションからはみ出してしまうのと、体を動かすようになり姿勢を保つのが難しくなったので、フットボール抱きを卒業しました。

縦抱き

 赤ちゃんを縦抱きして授乳する方法です。そのまんまですね。赤ちゃんの体格によって、お母さんの膝に座らせるか、床に座らせるか変わってきます。いずれにしろ楽な方を選べばよいと思います。

メリット

 腰据わり後なら、抱っこしないぶん楽です。
 また、授乳クッションを使わなくてもいいので、すぐに、どこでも授乳出来ます。

デメリット

 上手に、楽に授乳出来るのが腰据わり後なので、7~8か月頃までは難しいです。

感想

 首が据わった4か月頃に挑戦しましたが、腰が据わっていないと難しいかなと感じました。腰据わり前だと、体を支えても、傾いたり、ぐにゃぐにゃと腰が曲がってしまったりして、赤ちゃんの姿勢が安定しません。体が動くと口も離れてしまうため、授乳が中断してしまいました。

レイドバック法

 お母さんがソファやクッションにもたれ、赤ちゃんをお腹の上にうつ伏せに乗せて授乳する方法です。赤ちゃんの背中やお尻を、腕や手のひらで軽く支えます。カンガルーケアの姿勢を思い浮かべていただくと、分かりやすいかなと思います。海外ではメジャーな授乳体勢の1つです。

メリット

 他の授乳体勢に比べて、圧倒的に肩・腰への負担が少ないです。赤ちゃんの体を支える際に、ほとんど力が要らないので、肩こりや腱鞘炎に悩まされているお母さんにはお勧めです。
 体を起こさなくても良いので、肩や腰だけでなく、体全体もとても楽です。

デメリット

 赤ちゃんをうつ伏せにするので、鼻がおっぱいに埋もれたり、体がずれたりすると窒息の可能性があります。他の授乳体勢の時以上に、授乳中は赤ちゃんの呼吸状態や、体勢を注意する必要があります。授乳中は目を離さないようにして下さい。
 お母さんと赤ちゃんの体格によっては、乳首と赤ちゃんの口の位置がうまく合わず、体勢を作るのが難しいです。

感想

 体は楽だけど、色々と難しい!特に難しかったのが、赤ちゃんの口を乳首へ誘導する、赤ちゃんの鼻がおっぱいに埋もれないようにする、赤ちゃんの体がずれないよう固定する、の3つでした。泣いている赤ちゃんに乳首を咥えさせるのは、慣れている授乳体勢でも難しい時があります。体を起こし、咥えさせてから横になるパターンと、横になったまま体を抱き上げ咥えさせるパターンの2つを試しましたが、どちらもしっくりきませんでした。また、私の場合、45度以上横になると赤ちゃんの鼻が埋もれてしまったので、クッションでの角度の調整が難しかったです。体を起こしすぎると、赤ちゃんの体がずり落ちて乳首に届かなくなるし、横になりすぎると赤ちゃんの鼻が埋もれるし…。マスターすればとても楽に授乳出来る分、上手くいかず残念でした。

添い乳

 お母さんと赤ちゃんが向かい合って寝転んだまま、授乳する方法です。乳首と赤ちゃんの口の位置を合わせ、必要であれば赤ちゃんの頭や体を支えます。お母さんは枕を使ったり、腕枕をすると、より楽に授乳出来ます。

メリット

 他のどの授乳体勢よりも楽です。

デメリット

 外出先では、ほぼ添い乳では授乳出来ません。寝転ばないといけないため、自宅内でも授乳出来る場所が限られます。
 赤ちゃんのおっぱい飲む位置がほぼ固定されるため、飲み残しが起こりやすく、しこりが出来たり乳腺炎になる可能性があります。
 首の据わっていない赤ちゃんでは、横を向いた姿勢を保つのが難しいため、添い乳自体が難しいです。枕や丸めたタオルで頭や体を支えてあげれば、首が据わる前でも添い乳は可能ですが、コツを掴むまでは難しいです。
 添い乳をしたままお母さんが寝入ってしまうと、寝返りを打って赤ちゃんに覆い被さってしまい、窒息する可能性があります。
 使用する枕の高さが合わなかったり、腕枕を続けていると肩こりになりやすいです。

感想

 メリットよりもデメリットの方が遙かに多いのですが、私は添い乳が出来るようになってからは、添い乳でしか授乳していません。一番勧めたいのも添い乳です(笑)理由は、何よりも楽だからです。本当に楽です。横抱きで授乳していた頃は、肩も腰も凝ってバキバキで全身痛かったのですが、添い乳にしてからは痛みから解放されました。これだけでも、添い乳にて良かった、添い乳をするメリットがあると思いました。
 寝かしつけも添い乳ですることで、成功率が100%になりました。赤ちゃんにもよると思いますが、私の子の場合、添い乳をすれば必ず寝ます。眠い中抱っこするつらさ、背中スイッチで寝かしつけを一からやり直す理不尽さから解放された喜びは、筆舌に尽くしがたいです。ただし、寝かしつけをおっぱいに頼ってしまうと、断乳時及び断乳後の寝かしつけが、よりハードモードになる可能性もあります。そのため、寝かしつけに関しては、各ご家庭の方針に沿ってされた方がよいかなと思います。

すべての授乳体勢に共通する注意事項

 どの授乳体勢でも、赤ちゃんに乳首を深く咥えて貰うことが大事です。逆に言えば、これさえ出来ていれば、どの授乳体勢を選んでも構いません。お母さんが一番楽な授乳体勢で授乳をすれば良いのです。しかし、赤ちゃんに深く咥えてもらえず、浅吸いの状態になると、どんな授乳体勢でも、乳頭トラブルが起きます。乳首が切れたり、水胞が出来たりします。そもそも浅吸いだと、授乳時めちゃくちゃ痛いです。また、浅吸いは有効な吸い方ではないため、十分な量のおっぱいが飲めません。お腹が空くため授乳回数が増えたり、体重増加が思わしくなくなる可能性が高いです。
 授乳時には、乳輪が隠れるくらいまで、大きく口を開けて咥えさせて下さい。私は、乳房を持って、赤ちゃんの唇を乳首でつついて口を開けるのを待ち、開いたタイミングで下唇に乳輪を合わせ乳首をねじ込んでました。また、お母さんと赤ちゃんの体が離れていると、唇が離れ浅吸いになってしまうため、密着して下さい。他にも、赤ちゃんの体がねじれていると、同じように浅吸いになってしまいます。赤ちゃんのおへそが、お母さんの体の方向を向いているようにして下さい。私は、赤ちゃんのおへそが、自分の体にぴったりくっつくように体勢を整えていました。

おわりに

 授乳ってめちゃくちゃ大変ですよね。私も実際に授乳するまでは「おっぱい咥えさせるだけじゃん」という軽い認識でした。しかし、その認識は授乳開始初日で打ち砕かれました。本当に大変です。加えて、慣れるまでは激痛との戦いです。軌道に乗るまでは「ここまでして母乳にこだわる必要があるのか?」と遠い目をしながら自問自答していました。でも、母乳育児をしたいという気持ちは変わりませんでした。だから、少しでも楽に、痛みなく授乳できるように、試行錯誤を繰り返しました。そして今に至ります。
 少しでも楽に授乳しましょう。辛いと感じることは、長く続けることは出来ません。楽をすることは悪ではなく、むしろ、絶対に必要なことだと思います。この記事が、授乳を楽に行えるようになるきっかけになれば嬉しいです。